再生医療支援機構

消化器外科分野

「羊膜を用いる外科領域の再生医療」

京都府立医科大学・消化器外科
助教授 萩原 明於先生

母体の子宮内の受精卵はその発育過程で、胎児に発育する部分と、胎児の形成・発育を助け促す外側の袋部分(羊膜など)に分かれます。

つまり、羊膜は、胎児の組織や臓器の形成・発育を助け促す役割を担う組織ではあるが、他の組織と異なり人体を構成する組織とは成らない。この人体形成・発育の過程に占める羊膜の特異性のため、羊膜は組織や臓器の修復・再生の過程においても、人工材料や他の人体組織由来の材料では実現不可能な、特異な作用を担うことが可能であります。その例として良く知られているのは、他の組織由来の素材では実現不可能な優れた組織再生促進機能や、生体由来であるにも拘わらず免疫抑制剤が不要であること、他の既存組織と競合や異物反応を生じない特徴などであります。

これら優れた特徴の故に羊膜は、外科治療を大きく変革する鍵である再生医療において、特異的かつ重要な基本的素材となると考えられます。

外科領域における羊膜を用いた再生の試みで既に成果が挙がっている分野には、腹壁や胸壁、血管・腸管や食道などの中空臓器の壁、肝臓などの実質臓器などがあり、これらの幾つかは近い将来に臨床応用が可能と注目されております。更に、羊膜を含む複合材料による心臓弁なども我々の研究チームにより開発されており、将来は人体使用が可能となると考えられます。

以上のように羊膜の特異性を利用した再生医療は現在急速に発展中であり、将来は外科医療を支える重要な医療技術に発達すると期待されます。

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